★岳 記★
今年最後に一番満足のいく結果になった「鉾岳のクライミング」を振り返る。今年も何回か北九州周辺でクライミングの練習を続けてきた。遠出をしない時は、「玄海青年の家」でボードクライミングを楽しんできた。その1年間の集大成として、今回の鉾岳の岩登りが良い締めくくりになった。私も4年ぶりの鉾岳だったので、懐かしさもあった。
ヒデは鉾岳の岩登りは初めてだし、もう一人も経験としては1回来たことがあるだけだった。その3人で今年最後の本格的なクライミングをして、晩秋の1日を宮﨑の山奥で過ごしてきた。鉾岳は巨大な1枚岩の岸壁で、フリクションがとてもよく効くので、かなりの傾斜のある場所でも、微妙なバランスで移動することができる。まずは、ヒデに頑張ってもらうために、最初の数ピッチのリードをお願いした。特別に難しい箇所があるわけでも無く、任されたリードを無事にこなすことができた。ビレイポイントもきちんと作って後続を確保していたのも良かった。3ピッチが終わった時点で壁の中腹まで来ている。
ここからトラバースに移る
リードを交代した。40mほどの「ぬっぺり」した壁の横断に最初は少し緊張するが、目と身体が慣れてきて移動がスムーズになってきた。支点が2カ所あった。晴れるはずの天気が薄曇りで肌寒い。無事に3人で通過して、大滝を目指して横断バンドを移動した。最初は「晩秋の庵」を行こうかと思ったがルートの様子がよくわからずに時間を少し無駄にしてしまった。結局、「大滝左」ルートを行くことにした。
終わってしまった今では、緊張感も十分あって面白いルートだったと感慨にふけることもできるが、登っている最中はドーパミンが脳内に溢れる位の高揚感があった。今までに無いくらいのバランスとフリクションを駆使して、後半の2ピッチを登り切った。
そしてラストの易しいショートクラックを登って、無事にクライミングが終了した。4時間位で登り切った。全員が60歳代(平均64歳)だが、力一杯、クライミングに集中しエンジョイすることができた、と思っている。私としては、久々に良い刺激になった。これ以上、何かを望むべくもないが、来年も安全で楽しいクライミングが続けられることを楽しみにしたい。(余裕で下山し、北九州まで4時間半で戻ってくることができた。東九州道のおかげで移動がとても便利になった。経費も1人5000円程度で済んだ。)