2019年 2月 2日(土) 〜 2019年 2月 3日(日)  久住山(北西尾根)
 五里霧中のガレ場を徘徊?(トレイニング・オールディーズ)
九州(大分県) 九重山系
岳(L) サト ピトシ君 他1名
■2日(1日目)
15:00 八幡西発 → 18:30 赤川鉱泉駐車場着 → 22:30 就寝
■3日(2日目)
5:00 起床 → 6:00 出発 → 9:46 行動終了 → 10:40 駐車場 → 11:40 岳の湯(入浴&昼食)13:10 → 16:10 八幡西着
★岳 記★   

 今回は参加者が4名で、珍しく車中やテント内が賑やかで良かったが、天気には完全に見放された。あわよくば、昼過ぎから天気が崩れてくれれば良かったのだが、朝起きた時から、小雨(霧雨)もようだった。土曜の夕方は、それなりに車中からの景色も見えて、夕陽も見ることができた。フロントガラス越しに、久々の涌蓋山の冬枯れの様子も見てとれた。農免道路を通って、予定より30分早く赤川鉱泉着。
 夜はそれなりに寒かったが、急いでテントを張って、お決まりの宴会タイム。今回も盛り上がってしまい、宴会時間が長引いてしまった。(地鶏の鉄板焼きと高級ウイスキーの飲み放題で時間は、またたく間に過ぎていった。)
 朝は5時に起床して、朝食も食べずに、テントを撤収して6時に出発。1時間ほど、ライトを付けて行動した。7時を過ぎても空模様はさっぱりで、周囲の尾根や本来なら、見えるはずの北西尾根は、霧の彼方と言った所だった。林道から沢筋に降りて、堰堤を何回か迂回して上部を目指して、ガレ場を詰めて行った。登って行くにつれて、沢筋が分かれてきだした。できるだけ久住山を右手に見て、右寄りの沢を登っていったつもりが、どこかで見誤っていた。
 それとは知らずに先へ進むと、さすがに傾斜の急な泥壁や不安定な尾根に行く手を阻まれてしまった。視界も悪く、周囲の様子も判然としない以上、更に上部を目指して、突き進むのは厳しかった。無理はできないので、ここで断念することにした。
 微妙な空模様の中、ザレ場のような沢筋を、ことさら気をつけて戻って来た。途中振り返ると、登りに通った沢筋(主沢)の横に、少し細いが、沢筋がもう一本、上に伸びているのが分かった。下りは、予想よりも早く最後の堰堤に着いて、1時間程で駐車場に戻ってきた。その後は、温泉に入って昼食を食べて、さっぱりとした気分で北九州に戻ってきた。今年の九州の冬は、本格的な雪の山に出会うことなく、終わってしまいそうである。
*経費:交通費 3000円 食費 500円(夕食のみ) 風呂 1000円程度(昼食込)


 2019年 1月 27日(日)  雪の皿倉縦走
九州(福岡県) 北九州市八幡東区
イチリンソウ(L) みっちゃん カメさん ムック
まぁ〜まぁちゃん 一般1名
9:00 皿倉ケーブル駅集合 → 9:15 登山口 → 10:30 花尾山 → 11:35 帆柱山 → 12:30 権現山 → 13:00 ビジターセンター(昼食) 13:40 → 14:00 皿倉山 → (国見コース) → 15:20 だんだん広場 → 15:50 登山口
★イチリンソウ 記★   

 1月27日の火の山山行が中国道チェーン規制のため中止となった。昨年12月の柑子山・灘山登山以来、 風邪のため山に登っていなかった私はガッカリ。近場でも登りたいと思い、火の山参加者に「行きたい人は当日9時に帆柱ロープウェイ駅駐車場に集合」と声をかけたら6名が集まった。緒方会長に連絡し、できれば四山を踏破したいと思い、まずは花尾山を目指す。前日の雪がまだたくさん残っていて思いがけず雪道の登山となった。次に皇后杉を通過して帆柱山、そして権現山、お昼過ぎにビジターセンターに着いた。雪山を楽しもうという先客でいっぱいだったがなんとか席を確保して昼食。それから皿倉山へ。頂上ではロープウェイで来た人たちが雪だるまを作ったり、そり遊びを楽しんでいた。東南アジアから来たらしい観光客(留学生?)も嬉しそう。今年は暖冬なので雪はサプライズの贈り物だ。
 下りは国見岩からだんだん広場を経由してロープウェイ駅に戻った。私のスマホは25000歩を記録。 よく歩いたなあ。一ヶ月半ぶりの登山で次の日の朝はふくらはぎが悲鳴をあげていた。トホホ。やはり 月に二回は登らないと体はなまってくる。


 2018年 12月 29日(土) 〜 2019年 1月 1日(火)  笹ヶ峰 〜 石鎚山縦走
 オールディーズ2人、四国の冬山を行く
四国(愛媛・高知県) 四国山地 石鎚山脈
岳 他1人
■1日目 12月29日(土) 午前中晴れ、午後から雪
8:16 伊予西条発(バス) → 8:50 下津池着 → 12:00 林道終点 (登山道) → 14:15 丸山荘着
行動時間 約5時間15分

■2日目 12月30日(日) 午前中を中心に雪、視界不良
5:30 起床 → 7:07 出発  → 8:30 笹ヶ峰 → 11:43 寒風山 → 15:10 伊予富士 → 16:22 東黒森山 → 16:50 林道 (車道)
行動時間 約10時間

■3日目 12月31日(月) 午前中曇り、午後から晴れ
5:00 起床 → 7:47 出発 → 9:15 瓶ヶ森登山口 → 13:15 土小屋 → 15:00 東稜分岐 → 15:58 二の鎖避難小屋着
行動時間 約8時間

■4日目 1月1日(火) 晴れ
5:00 起床 → 6:00 出発 → 6:30 山頂(弥山)初日の出を待つ → 7:07 初日の出 → 7:30 天狗岳 → 8:30 小屋着 → 9:00 小屋発 → 10:50 成就着 → 11:20 ロープウエイ着 → 11:40 ロープウエイ発 → 12:03 ロープウエイ駅発 (バス) → 12:50 伊予西条着
行動時間 約4時間半

★岳 記★   

■1日目
 年末年始の休みを利用して、四国の冬山を縦走してきた。去年は5人でレンタカーを利用して、「剣山~三嶺の縦走」に来たが、今回は2人なので移動は全て公共交通機関を使った。28日夜の小倉港発のフェリーで松山まで来て、バス、JR、バスを乗り継いで下津池まで来た。最初は、下津池がバスの終点かと思っていたが、国道沿いのバス停だった。予定では、4時間位で丸山荘に行けるだろうと思っていたが、5時間以上かかってしまった。バス停から林道を3時間は歩いた。荷物が17㎏もあって、時間がかかっても仕方無かったが3時間の林道歩きは長かった。登山道を歩き始める頃から、空模様が怪しくなり、雪もちらつき寒さも増してきた。2時間以上歩いて、樹林帯が開けた所に「丸山荘」はあった。
 ここの「2人の管理人」がとても印象的で、丸山荘に宿泊した経験のある人もいるかもしれないが、この滞在経験を伝えたい。この山小屋は、普通に北アルプス等の山中にある小屋のイメージとは全く違う。ちょっとした田舎の学校風で周囲の景色に溶け込んでいる。落ち着いた雰囲気のあるこの山小屋の宿泊料金は7000円。安いと思った。だから、大したことは期待できないだろうという思いがあった。しかし夕食の頃になると、食堂(畳のある和室)のテーブルに焼き肉用の鍋をオバチャンが用意しだした。冬の寒いこの時期だし、登山客も他にはいない。カレーライス位しか想像できなかったのが、意表をつかれてしまった。大食漢の私が食べても十分な量の肉と野菜がテーブルに用意された。肉はどれも柔らかくて、町中で食べる焼き肉と全く遜色はなかった。ご飯は五目飯にシジミの味噌汁。私は全て完食したが、友人には鶏肉が少し多すぎたみたいで、おすそ分けをしてもらった。缶ビールを1つ注文したら、「高いと思われたら嫌やから、もう1つ置いとく。」と言って2本置いていってしまった。とにかく、おいしい焼き肉に満足しかなかった。
 このメニューは、誰がいつ泊まってもかわらないらしい。(「宿泊客が、焼き肉を食べている写真」が何枚も収められたアルバムを見せてもらった。何と、あの田中陽希も泊まっていた。)夕食を食べながら、このオバチャンとオジチャン相手の会話で時間があっと言う間にすぎた。
 オジチャン(80歳)は、前のオーナーから15年前にこの山小屋を・・万円で購入し、山小屋経営を1人でしている。そしてオバチャン(78歳)は明るくて話し好きで、人の面倒を見るのが大好きな人だ。でも2人は、夫婦ではないらしい。このオジチャンとガチンコで山談義にはまってしまった。独特の「山人生観」があって、会話が途切れることがなかった。是非、福岡に来て「夏山フェスタ」の発表者でも良いくらいだった。
 8時になって、部屋に戻って布団に入るとアンカが入れてあった。屋内は寒くて1度しかないのに、布団にアンカで気持ちよく寝ることができた。山小屋でフカフカの布団といい、アンカまで用意してもらって恐縮だった。おかげで、寝過ごしてしまい、5時半に起きて、食堂に行ってみると、ストーブが炊いてあり、食事も既にテーブルの上に用意されていた。量がさすがに多くて食べきれなかったが、更には頼んでもないのに、弁当(おにぎり2コ+おかず)を1人に2つずつ用意してくれていた。これには脱帽だった。
 外は暗く雪が舞っていた。なかなか出発にはならなかったが、7時近くになって出発の用意ができた。最後はオバチャンが記念写真を撮って、見送ってくれた。

■2日目
 出発から最初の1時間が、どうしても寒さで動きが硬い。少しずつほぐれては行くのだが、我慢しかない。休憩をするにも適当な場所がなく、風と寒さと視界の悪さで、山頂まで休憩することなく歩き通した。ガス(雲)に覆われた笹ヶ峰山頂は、何も見えなかった。案内板の前で記録の写真を撮って、寒風山に移動した。この日の予定では、9時間近くかけて「瓶ヶ森」まで行く予定にしていた。だが、出発時の遅れや、天気の悪さと雪に覆われた笹道に時間をとられ、予定が狂って行くのが分かった。
 寒風山に着いた。かなり時間がかかっていた。山頂には、何人かの登山者が来ていた。中には、笹ヶ峰まで縦走する者もいたが、大半はそのまま下山して行った。 我々としては、瓶ヶ森の避難(白石)小屋まで行くつもりだった。「まだ行けるかもしれない。」と念じながら山頂を後にして桑瀬峠を目指した。桑瀬峠に着いて、天気が少し持ち直した。雲の間から周囲の山並みが見えたと思った。しかし、完全に天気が回復することなく、時間は過ぎて行った。
 次は、伊予富士。桑瀬峠から1時間20分のコースタイムだったが、予想以上に時間がかかってしまった。ゆるい起伏のある山道を、伊予富士の麓まで来て見上げると、ピークはすぐ真上に見えていると思った。でも、歩き始めると、直登に近いジグザグ道が続いていた。30分以上は急な斜面を登っただろうか?ヒョコッと頂上に出た。視界不良の山頂で記録の写真を撮って、足早に移動した。
 東黒森山を過ぎる頃には、日が陰って来た。5時が近かった。瓶ヶ森までは、まだ6㎞近くあった。予定を打ち切って、車道(林道)に降りてきてテントを張ることにした。テントは1~2人用の「エスパーステント」を使用したが、そんなに狭いと思わなかった。(ただし、設営時にポールの先端を四方/4カ所の穴に差し込むのに、手間がかかってしまうのが難点だ。それ以外はアウターフライと内張もあって、テント内では、快適にくつろぐことができた。)

■3日目
 夜半から明け方にかけて、寒気が厳しくなってきた。テントの中にいても風の音で外の寒さが想像できる。朝起きてオーバーズボンをはいて朝食の用意をする。事前の訓練山行で合宿をしていたので、テント内での生活(動き)に無駄が無かった。私は朝食を、菓子パンとコーヒー2杯で済ませたが、丁度良かった。朝のコーヒーは、普段の習慣から、欠かせないと思った。友人はアマノフーヅのパスタが常食らしい。手早く朝食を済ませて、片付けを始めるが、どうしても時間がかかってしまう。テントの撤収が終わる頃には7時半を過ぎていた。周囲の景色は、厚い雲と樹氷に覆われた山並みだけで、寒々としていた。オーバーズボンをはいていて良かった。
 道路脇の案内板で、瓶ヶ森までの距離を確認する。車道(林道)を歩いて行かないと、今日中に「二の鎖避難小屋」まで行けそうにもなかった。相変わらず重たいザックを担いで、ひたすら車道(林道)を歩いた。天気が良ければ、「石鎚山の北壁」が縦走路から見えるはずなのに何も見ることはできなかった。「瓶ヶ森」登山口まで来た。山頂まで40分だったが、行く余裕はなかった。友人には「瓶ヶ森」は未踏の山だが、諦めてもらうしか無かった。昼過ぎまで車道(林道)を歩いて、土小屋まで来た。突っ立った姿勢で、ずっと歩きずくめで、腰が凝って仕方なかった。途中、何度もザックを左右に揺すっては、気を紛らしていた。昼過ぎから、天気が本格的に持ち直してきた。陽の光が暖かかった。石鎚の登りで、やっと少し汗ばむ位だった。「東稜」分岐を過ぎて、1時間ほどで避難小屋に着いた。最初の予定では、東稜分岐から南尖峰を経て、避難小屋まで行きたかったが、これも時間に余裕がなく断念した。主脈縦走と岩稜帯(東稜)の通過が、どちらもできずに終わってしまい、結果的に淡泊な山行になってしまったが、何十年振りかに「初日の出」を山頂で見ることができて、満足もしている。小さな避難小屋には既に、5人の先客がいたが、我々が加わっても、大して混雑することはなかった。少し寒い位で比較的快適だった。夜は、前菜に麻婆春雨を作って、ビールと残りのウイスキーを空にして、その後は、ジフィーズとレトルトのカレーで夕食を済ませて、大晦日の夜を7時半に寝た。

■4日目
 元旦だ。天気も快晴が期待できそうだった。多くの登山者が山頂(弥山)に向かっていた。我々も5時に起きて6時には、山頂を目指して出発した。今日はそれほど寒くも無かった。6時半には山頂に着いて、神社の前で天狗峰を眺めていた。周囲には、三脚にカメラを構えた登山者が、やはり天狗峰に目をこらしていた。一度は滝雲に覆われた山頂稜線だったが、7時前から空が明るくなり始めた。間違いなく初日の出を見られそうだった。そして7時7分に、燃えるような日の出が周囲の山並みを照らし出した。感無量だった。夢中で何枚も写真を撮った。その後は、天狗峰に行って、最後の記録用写真を撮って小屋まで戻って来た。後は、下山するだけだった。全ての荷物をザックに詰め込んで、穏やかな日射しの中を、ゆったり気分で成就まで降りてきた。雪のまばらな登山道を2時間で降りてきた。本宮に無事の登拝を謝して、ロープウエイで下山した。

 4日間の冬山縦走が終わった。悪天候で山頂からの展望がなかったり、瓶ヶ森を迂回したりと、悔いの残る山行になってしまったが、当初の目的の「初日の出」を見ることは、運良く叶った。「初日の出」の写真は、来年1月の県連通信で、見てもらえればと思っている。最後に、ロープウエイ駅から見た「瓶ヶ森」の秀麗な姿が良かった。できれば、季節の良い時に、もう一度「瓶ヶ森」に登って笹ヶ峰から赤石岳方面に、テントを担いで縦走してみたい気分に駆られてしまった。